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中国の「靖国」固執 日本の再編成目論む 2006-5-13 産経新聞 (転載)

中国の「靖国」固執 日本の再編成目論む


2006-5-13 産経新聞

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米中経済安保調査委員会 ラリー・ウォーツェル委員長


 【ワシントン=古森義久】米国議会の超党派政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」のラリー・ウォーツェル委員長は十日、産経新聞のインタビューで米国からみた日中関係の靖国問題などについて語り、中国は靖国問題を使って日本の国内政治を変えようとしており、日本側は中国による小泉純一郎首相の靖国参拝中止への圧力に、屈するべきではないという見解を明らかにした。

 米国議会で米中経済関係が米国の国家安全保障にどう影響するかを研究する常設諮問機関の同委員会で、今年二月から委員長を務める中国の安保・軍事専門家のウォーツェル氏は中国の靖国問題への対応について「他国の神社参拝を自国の外交関係の中心部分にする国は全世界でも他に例がない」と評し、その特殊性を指摘した。同氏は日中関係の現状での靖国問題の意味については「靖国問題は日本の内部問題、内政問題であり、中国が日本の内政を非難の主要対象とし、靖国を通じて日本の内政を変えようとしている限り、日中関係の改善は望めない」と論評した。


 同氏は中国が靖国参拝に激しく反対する理由については「靖国を戦前戦中の日本の行動の土台として特徴づけ、中国国民に対し靖国神社自体を邪教のように誇大化して神話化するとともに、靖国への攻撃と否定を中国側のナショナリズムや主権感覚の正当化の基礎に利用してきた」と述べ、「中国当局はそうした靖国非難の利用に依存するようになり、引き返しが難しい状況を自らつくってしまったといえる」と説明した。

 ウォーツェル氏は、中国が小泉首相の後継者にまで靖国参拝に関して条件をつけていることについて「中国は小泉首相以後の日本の政治を靖国問題を通じて自国に都合よいように再編成しようとしているが、それが難しいことをやがて認めざるをえないだろう」と述べた。

 日本側の対応について同氏は「私が小泉首相ならば靖国参拝に関しては中国の反対を無視し、参拝はやめず、日本国内の賛否を優先材料として判断する。その一方、これまで通り参拝は戦争賛美を意味せず、靖国には太平洋戦争以外の戦争の死者も祭られており、日本の戦死者全般に弔意を表しているのだ、という立場の説明を続けるだろう」と語り、小泉首相は中国の圧力に屈するべきではないという意見を強調した。

 ウォーツェル氏は中国側の日中首脳会談拒否という態度に対しては「日本側は中国へのODA(政府開発援助)などすべての経済援助を即時、打ち切るぐらいの強い対応で抗議を表明すべきだ」と述べた。

 「日本は靖国問題のためにアジアで孤立している」という日本の一部などでの主張に対して同氏は「日本はまったく孤立などしておらず、その種の主張は明確に事実に反する。日本と中国、韓国との経済や人的な交流は大幅に拡大しており、日本はアジアでもタイ、インドネシア、モンゴル、台湾、インド、フィリピンなど多数の諸国、諸地域ときずなを緊密にしている」と反論した。

 同氏は日中関係の摩擦については「中国が依然、大軍拡を続け、対外的に強気な態度をとることが日中関係を緊迫させ、悪化させている」と語り、日中関係は靖国以外の実質的な要因で悪化しているとの見解を明らかにした。

 クリントン政権の高官だったジョセフ・ナイ氏らが靖国問題では日本を非難している点についてウォーツェル氏は「民主党のクリントン政権にいた要人の対アジア政策と、共和党現ブッシュ政権の対アジア政策とのギャップだともいえる。クリントン的政策はとにかく中国を偏重し、その独裁や軍拡にもかかわらず、米側の外交政策の中心に中国をおこうとする。私は中国は重要で無視はできないが、米国の対アジア政策の中心ではないと思っている」と述べた。

                  ◇

【プロフィル】ラリー・ウォーツェル

 1970年代から米陸軍でアジアの軍事分析にあたり、国防総省勤務から陸軍大学教官、ハワイ大学で博士号取得、80年代後半から計2回7年間にわたり北京の米国大使館駐在武官、2000年からヘリテージ財団のアジア部長、副所長を歴任、翌年から米中経済安保調査委員会の委員となり、その後に現職。




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