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【インタビュー記事】台湾に迫る「中国の危機」「明日への選択」より転載

【インタビュー記事】台湾に迫る「中国化」の危機


2006年4月号月刊「明日への選択」より転載

インタビュー記事


    世界台湾同郷会副会長 「台湾の声」編集長 林建良


●「国家統一綱領」廃止をどう見るか

 -------陳水扁氏が台湾総統に就任してすでに六年が経ちました。この間、民間では憲法制定の運動や中華・中国という名称を台湾に変える正名運動など、独立を視野に入れた様々な運動が展開されてきたわけですが、その一方では最近、勢力を盛りかえしてきた国民党が親中国的な姿勢をますます露わにしているような状況も見られます。

 しかし、台湾が中国化することは、日本にとってきわめて深刻であり、決して他人事ではありません。

 そこで、台湾の政治の現状と今後の見通しを、台湾独立運動のリーダーとしてのお立場からお聞かせいただければと思います。

 最近、陳水扁総統が「国家統一綱領」の廃止に言及し、中国やアメリカが反発していますが、まずこの動きをどう見ておられるのか、という辺りからお聞きしたいと思います。

 林  

 今、台湾では陳水扁さんへの不満が、特に台湾独立派の間で非常に高まっています。そうした不満を解消するために、考試院(日本の人事院に相当)の院長であり、民進党の元主席でもある姚嘉文さんが、私たち海外の台湾人団体のリーダーたちとも相談して、「国家統一綱領」と「国家統一委員会」の廃止を進言したのです。

 台湾派の不満の根源は二〇〇〇年の就任演説の中で打ち出した「四つのノーと一つのナッシング」という公約です。四つのノーは、「在任中に独立を宣言しない」「国名を変更しない」「二国論を憲法に盛り込まない」「統一か独立かといった現状の変更に関する住民投票は行わない」を指し、一つのナッシングは「国家統一綱領や国家統一委員会を廃止しない」ことを指しています。要は、「われわれは現状を変えるつもりはない」ということを公約したわけです。この公約には、「中国が台湾に対する武力侵攻の意図がなければ」という前提はあるのですが、いわばアメリカの圧力に屈した上での妥協の産物なのです。

 陳水扁さんにしてみれば、とにかく安定が大事だということだったのでしょうが、これは多くの台湾人にとってはとても納得がいかない。これは単なる口約束とも言えますが、実際には自縄自縛という言葉通り、それ以降の重要な談話などは全てアメリカに検閲されてきたのです。そればかりか、例えば憲法制定運動にしろ正名運動にしろ、台湾派が何をするにしても、「四つのノーと一つのナッシングに抵触しているではないか」と、中国はもちろん、アメリカや日本も圧力をかけてきました。この公約はわれわれにとっては目に見えない牢屋であり、非常に悪い前例となっていたのです。


 --------今回の国家統一綱領の廃止はその公約の中の「一つのナッシング」を否定したということですね。


林 

 ええ。そもそも「国家統一綱領」は一九九二年、李登輝元総統の時代に作られました。ご承知の通り、李登輝さんは台湾人として初めて総統になったわけで、ずって独立派と見られていた。そこで、「そうではない」ということを示すためのいわばカムフラージュとして、「国家統一綱領」を作ったのです。ですから、そこで謳われているのは、中国が民主化し、自由な国になったら一緒になってもいいという内容で、もともと実現性のない話ではあったのです。

 また、この綱領の下に「国家統一委員会」が設置されているわけですが、この年間予算は一千台湾ドルです。日本円に換算すれば三千円。ですから、改めて廃止しなくても実質的にはすでに凍結されていたも同じです。

 これらの廃止に言及することによって、陳水扁さんの就任以来のスタンスが変わったとも言えますが、私は余り信用していません。というのも、陳水扁さんは政権内部で事前に協議を重ねた上で決断したわけではなく、非常に軽い気持ちで廃止に言及しただけだからです。姚嘉文さんから進言された翌日、台南県の地元に帰った際、宴会のスピーチで急に言い出したのです。何らかのチームを作って、アメリカや日本との関係がどうなるかとか、反対勢力にどう対応するとかは全く検討していません。その後の反発が大きくなるとも全く予想していませんでした。

 
------- アメリカへの根回しとか、反応を考えた形跡もないのですか。

 林 

 今回の件については、私はアメリカと事前の協議は必要とは思いませんし、実際なかったと思います。むろん、私は全てアメリカと協議をしなければいけないとは思いませんが、非常にインパクトが大きい問題は協議すべきだと思います。

 それよりも問題なのは、陳水扁さんのこの六年間に、何事もアメリカの意向を仰いでからやるという一つのパターンが出来てしまったことなのです。だからこそ、今回のようにたまたまアメリカにお伺いを立てないことが一つでも出てくると、アメリカはびっくりする。今回、アメリカは「サプライズ」という言葉を使って、「われわれはサプライズを嫌っている」と言いました。

 アメリカがサプライズするかどうかはアメリカの勝手ですが、台湾はアメリカの奴隷ではありません。だから問題の本質は、陳水扁さん自身がこの六年間、非常に悪い前例を作ってしまったということなのです。


●陳水扁総統は中国にとっての「功労者」?


-------- 陳水扁さんが総統になって以降、確かに台湾の独立志向の動きが後退してしまったように感じますね。

 林 

 そもそも民進党は独立志向なのですが、二〇〇〇年に政権を取ってから、独立志向から現状維持志向へと変わったと見るべきだと思います。事実、政権を取ってから陳水扁さんが打ち出した路線は「新中間路線」とも言うべきものなのです。

 それ以前の台湾は、統一か独立かに二極化していました。とはいえ、少なくとも蒋介石の長男の蒋経国が総統になって以来、国民党は実質的には中間路線だったのです。口では統一を言うけれども、実際は現状維持の方に重心をかけていくというスタンスです。だから李登輝総統の十二年間は、蒋経国路線を継承していたとも言えるのです。

 ところが、独立派を代表する民進党のスタンスが政権を取ってから、統一と独立の中間へと動き出しました。これが新中間路線と言われるものです。もともと独立派の陳水扁が中間路線をとれば、国民党はより中国寄りになるしかありません。その結果、本来の独立派は非常に弱くなってしまったのです。

 もちろん独立派が弱くなったことは、中国にとっては一番のメリットです。その意味で独立志向が弱くなったとも言えるのです。だから中国は陳水扁さんに賞状を送らなければいけません。


------- 何とも皮肉な事態ですね。 

林 

それだけではありません。台湾に対して一番影響力のあるアメリカと日本が、台湾関係に限っては、中国の思うままに動いてくれています。特に日本は中国の思惑通りに動いてくれる。その意味で中国にとっては、今の状況は非常に理想的だと思います。

 ご承知のように、二〇〇三年十二月、陳水扁さんが憲法制定のための国民投票をすると発言した際、ブッシュ大統領は温家宝との会談で、「(国民投票は)現状を変える行為だからやめるべきだ」と述べました。ブッシュは口で言っただけですが、日本政府は文書まで出したのです。

 台湾との国交を断絶して以来、日本政府は一度たりとも総統府に足を踏み入れたことがありませんでしたが、交流協会の所長、つまり事実上の日本大使が総統府に文書を持参し、秘書長(官房長官)に突き付けました。要は、あなた方の行為は現状を変えることだからやめろと言ったのです。しかもその文書では、陳水扁「総統」というかぎカッコの表現になっていたのです。これは陳水扁はいわば偽の総統だという意味です。中国と歩調を合わせたというしかありません。つまり日本政府は、中国に対して「あなたの言う通りにやりました」と台湾バッシングをやって見せたとも言えます。これはサムライ精神に反する日本の道徳的な汚点として記憶に永遠に残るだろうと思います。 これは一例に過ぎませんが、台湾関係に限って言えば、日本は全て中国の思惑通り、指令通りに動いている。つまり、中国の代わりに台湾に口出しして、中国に自慢しているようなものです。


------- 二〇〇四年三月の総統選挙では、憲法の住民投票は不成立になりました。

 林 

ええ。アメリカと日本のバッシングによる打撃が非常に大きかった。日米が反発した瞬間、陳水扁さんの支持率もガタンと落ちました。日本のパンチは非常に効いたのです。このようなパンチを日本は台湾には何回も使っていますが、是非一度だけでも中国にも使ってもらいたい。(笑)

●日本の保守派の「誤解」


-------- 日本の場合、中国の顔色をうかがっているということですね。


 林 

そう言えると思います。しかし私は日本人、特に日本の保守派は一つの大きな誤解を持っていると思っています。その誤解とは、要するに中国は台湾を武力をもって攻め込む危険があるという考えです。この考えは、実は中国の宣伝をしているだけなのです。

 考えても見て下さい。仮に中国が軍事行動によって台湾を取るとすれば台湾は確実に廃墟になります。同時に中国経済の中心である沿海地域の三分の二以上が廃墟となり、アジア経済は大恐慌を引き起こすことになる。中国はそんなへまはしませんよ。なぜなら、中国は武力行使せずとも、台湾の親中国派を利用して政権を取ればいいからです。そして、今すでにあと一歩で中国の狙いは実現するところまで来ているのです。


------- 中国はわざわざ武力行使のリスクを取る必要はないと。


 林 

今の中華民国憲法では中国全土が中華民国の領土になっており、今の体制は究極的には統一を志向しています。だから中国としては、台湾が憲法を制定せず、このまま中華民国体制を維持しながら、将来的に親中国の政権が出来ればいいのです。そうすれば、一国二制度まではいかなくとも、例えば平和協定を結ぶとか、あるいは軍事交流をするとか、非常に平和的な手段で台湾を手に入れることができるのです。

 最近のインタビューで、すでに国民党の馬英九主席は「中国と軍事交流をやる」「中国と平和協定を結ぶ」と言っています。軍事交流をやるということは、国民党と中国の共通の敵は日本だということを意味します。つまり中国からすれば、俺が汚い日本人から台湾を守ってやるから、台湾の軍港を使わせてほしいという話なのです。

 実際、今の国民党本部の前には、戦前の霧社事件で日本人を殺した原住民や抗日英雄などの大きな写真がデカデカと貼ってあります。要は台湾と中国の共通の敵は日本であるという宣伝をしているわけです。また、2000年の総統選挙の候補の一人であった親民党党首の宋楚瑜は一九九七年、台湾省の省長時代に、「中国と連携して尖閣列島を奪還する」と公言しています。

 つまり私が言いたいのは、中国が台湾を取ろうとする場合、何も軍事行動に出る必要はない。台湾に親中国政権ができて、人的交流や軍事交流をするだけで、少なくとも軍事的には自ずと台湾は中国の勢力下に入るのです。仮に馬英九政権が誕生すれば、一〇〇%の反日政権になるはずです。

 結局、中国が「戦争を起こすぞ、起こすぞ」と繰り返すのは、台湾が現状維持を止めて、独立を志向すれば戦争になると日本人やアメリカ人に信じ込ませたいだけなのです。


--------中国の作戦は見事に成功しつつあると言えますね。


 林 

ええ。結局、日本人は中国人の国民性を全く理解していないと思いますね。彼らは、やるやると言っている場合はやらない。実際にやる場合は何も言いません。朝鮮戦争時の出兵にしても、ベトナムとの戦争にしても、フィリピンに対する南沙諸島の占領にしても、中国は事前に何も言っていません。逆に、何か言っている場合は行動を起こしません。

●台湾派に迫る危機


-------- 台湾派にとっては、内外共にきわめて厳しい状況だということですが、今後の展開はどう見ておられますか。


 林 

 今後、大きな選挙が三つありますが、台湾派はまだまだ落ちると思います。まず今年末に台北市と高雄市の市長選挙がありますが、これは政治勢力は多分変わりません。つまり、台北は引き続き国民党の政権で、高雄は民進党の政権がつづくだろうと思います。

 しかし、来年十二月の立法院(国会)選挙では、ほぼ百%台湾派は負けると思います。なぜかと言うと、来年の選挙は台湾で初の小選挙区選挙であり、しかも定員が半数になるからです。

 もちろん、条件としては国民党や親民党などの中国派も同じですが、問題は各県毎に最低一名以上の国会議員が必要だとする憲法の規定にあります。つまり、台湾には台湾派が絶対に票が取れない県がかなりあるということです。その典型は中国と目と鼻の先にある馬祖と金門です。馬祖の人口はわずか八千人で、金門県の人口は二万人ですが、各々国会議員が一人割り当てられているのです。

 ところが、金門と馬祖の住民は自分を台湾人とは思っていないのです。実際にも金門と馬祖は中国の福建省の一部という形になっていて、彼らは自分は中国人だと思っています。ですから当然、台湾派はそこでは議席を取ったことは一度もないし、これからも永遠にないはずです。

 実はこのように台湾派が絶対に票が取れない県がかなりあるのです。例えば台東県や花蓮県などいわゆる原住民の多い選挙区。あるいは軍人とその家族が住んでいる軍人団地が多い県は、そこに住んでいるのは基本的にはほとんど中国人の二世、三世です。そういうところでは民進党や台湾団結連盟が逆立ちしても絶対に票がとれません。取れるとしても何万票に対して一票とか二票といった程度です。

 そんな地域が、小選挙区の下でだいたい五十ほどある。国会議員の定員は今は二百二十五で、来年は百十三になるわけですが、国民党と親民党は何もしなくても定員の約半分の五十議席は転がり込んでくる。だから実質的には残り六十議席の争いになるわけですが、民進党などの台湾派がいくら頑張っても、せいぜい四十議席取ればいい方です。つまり、来年の立法院の選挙は四十対七十ぐらいの差で中国派が勝つことになるわけです。


-------- そんなとんでもない事態をもたらす選挙制度の改革を与党である民進党は黙って見ていたのですか。
 

林 

台湾の選挙では買収行為が普通になっているのですが、陳水扁さんは、小選挙区制度にすればクリーンな選挙ができるという幻想を抱いてしまったのです。しかし実際は、選挙区が狭くなるわけですから、小選挙区制度の方がもっと買収がしやすくなると思います。
 もう一つ指摘したいのは、当時は国民が国会議員の腐敗に飽き飽きしていたということです。そんな時、たまたま元民進党主席の林義雄という人物が、「議員数を半分にすべきだ」と提案したわけです。今の中選挙区制度のまま半減するなら、民進党にとって打撃はさほど強くはないのですが、小選挙区制度にするという前提で定数半減の議論を進めていきました。とにかく、「小選挙区=善、中選挙区=悪」というのが当時の台湾社会の雰囲気だったのです。そして、陳水扁さんもそうした流れに乗るのを良しとしたのです。


------- では、二〇〇八年の総統選挙も台湾派にとっては厳しくなる?

 林 

 来年の立法院選挙の大敗によって、台湾派の危機感が高まれば、総統選挙では民進党や台湾派が勝ち抜くことができるかも知れません。要は台湾人の危機感がどのくらい高まるかにかかっていると思います。

 しかし私は今、それとは全く別の問題に台湾派は直面していると思っています。台湾派は今まで、中華民国体制から脱して国を作るためにはまず政権を取らなければいけない。政権を取ってから、中華民国体制を打ち壊し、自分たちの国を作ればいい、と考えて政権を取ったわけです。要は今の中華民国というボロ家を奪い取ってからこれを壊すことが可能だと思っていた。しかし実際に奪い取ってみたら、住み心地がそんなに悪くはなかった。


----------つまりボロ家でもいいじゃないかと。

 林 

 そう。ボロ屋を壊してしまって、果たして新たに高層ビル、つまり憲法の制定ができるのか、現実に今あるものの方が大切ではないか、などと思い始めている。だから、一方で憲法の一部改正のようなボロ屋を補強するようなこともしています。

 しかし、そもそも建国運動というのは、まずは壊す運動です。建国をビルの建設にたとえると、一番最初にやらなければいけない仕事は元々あるものを壊し、撤去し、更地にすることです。更地にしてからビルを建てるというのが原則です。ボロ家の看板を変えるだけでは新たな国を作ることはできません。一方で補強して強くしながら、他方で壊すというのは、理論的にも矛盾しています。

 だから私は、現在の体制を前提とすれば、国をつくることはできないと思っています。もともと建国派というのは「アンチ中華民国」だったのです。二〇〇〇年まではアンチ中華民国勢力が四割ぐらいいて、中華民国勢力は六割ほどでした。ところが二〇〇〇年に陳水扁さんが総統に当選した後は、民進党も独立志向を失い、中華民国体制に安住してしまったものですから、中華民国勢力は九割になり、アンチ中華民国勢力は数%になりました。台湾団結連盟の支持率=アンチ中華民国勢力と見なせば七%になりますから、九三%対七%です。

 むろん、もし二〇〇八年の総統選挙で中国派に負ければ、恐らく五〇%の中華民国派と五〇%のアンチ中華民国派にまた戻ると思います。


●「現状維持」ではなく、「民主」「自由」の価値を語ってほしい

------- 結局、「現状を変えない」ということが、台湾派の桎梏になっているということですね。

 林 

 そこで私が強調したいのは、誰が「現状」を定義する権利があるのか、ということです。例えば今回の「国家統一綱領」の件についても、中国もアメリカも、そして日本も「現状を変えてはいけない」と言って批判するわけです。

 しかし一体、これら四つの国が言う「現状」についての認識は同じでしょうか。そもそも現状維持とはどういうものなのでしょうか。台湾の現状を誰が定義できるのでしょうか。そして現状は果たして維持できるのでしょうか。さらに日本やアメリカ、そして中国も現状を維持しているのでしょうか。疑問は尽きません。

 もし台湾が現状を維持するということであれば、全ての選挙を凍結しなければいけません。選挙があれば政治勢力は変わるし、対外関係も変わりますから、民主的な国であれば、現状が維持できるはずがないのです。

 一方、中国は台湾に向けてミサイルを増強しています。昨年のアメリカ国防総省の報告書は、中国が台湾の対岸に短距離弾道ミサイルを六五〇〜七三〇基を配備しているとともに、年間百基程度のミサイル数を増やしていること、また射程距離や精度の向上も進めていることなどを指摘しています。まさに台湾海峡の現状を変えているのではありませんか。

 それだけではありません。台湾の内部にはますます多くの中国人が大陸から流入しています。合法的に入った人間だけでも二十万人いるのですが、その内、中国人嫁はすでに十七万ぐらいいるのです。彼女らは八年間台湾に住めば台湾の国籍を得ることができるのですが、そうなると大陸から一族郎党を呼び寄せます。一人が十人ぐらい呼ぶんですが、本当の親戚でない人間も偽装して入ってきます。ですから、あっと言う間に数百万人の中国人がやってくることになるわけです。

 すでに密入国の中国人は台湾の内部に四十万人ほどいるんですが、彼らが台湾の裏社会に潜んでいます。要は表の世界でも裏の世界でも中国人は台湾に堂々と入ってきており、政治的な影響力も非常に強くなっているのです。つまり、中国こそが現状を変えているわけです。

 要するに、現状維持というのは所詮神話にすぎません。しかも、その神話を台湾にだけ信じろと言うのです。

 「国家統一綱領」の廃止についても、安倍晋三官房長官が「台湾海峡の現状を変えてはいけない」「台湾の将来は民主的・平和的に解決すべきだ」という趣旨のコメントを出しました。

 しかし、台湾人の将来は台湾人に決める権利があるはずです。これこそは平和と人権を大切にする日本が述べるべき言葉ではないでしょうか。「われわれは民主と自由の普遍的な価値を堅持する。そして台湾海峡の関係は平和的に解決して欲しい」と。この一言だけで台湾は非常に勇気づけられます。さらに踏み込んで言えば、「中国もいずれ民主的な国になって欲しい」と言うべきです。こうコメントしたからといって、何も台湾の肩を持っているということにもなりません。

 あるいは、場合によっては、中国に向かって言わなくたっていいわけです。世界に向かって、「われわれは民主と自由と人権を憲法に書いている。こういう価値観を共有しているんだ」と。こういう言い方をして外交を行うことは十分できると思うんです。

 しかし、なぜか日本の政治家はそうしたことを一言も言わずに、「現状維持」を繰り返す。その結果、台湾がトラブルメーカーのように受けとめられてしまうのです。

 先ほどの繰り返しになりますが、
 具体的な基準を言わずに、単に「現状維持」というだけでは、神話のような空想的な議論になってしまいます。神話に基づいた議論に対しては、たとえ今の政権が納得できても、恐らくこれからの台湾人は納得しないと思います。

 (三月八日取材。文責・「明日への選択」編集部)





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