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政府答弁で判明―文科省検定は中国の「立場」に従っていた 台湾研究フォーラム会長 永山英樹

政府答弁で判明―文科省検定は中国の「立場」に従っていた


             台湾研究フォーラム会長 永山英樹


■政府見解を歪曲している文科省

文科省が教科書検定において、台湾を中華人民共和国の領土との誤表記
を行う帝国書院発行の『新編中学校社会科地図』及び東京書籍発行の『新しい社会科地図』を合格させた問題で、笠浩史衆院議員は10月31日、政府に対し「中学校使用の地図帳及び外務省ホームページにおける台湾の取り扱いに関する質問主意書」を提出し、台湾の領土的地位に関する日本国政府の公式見解と、文科省が検定で合格させた根拠を問い質したところ、政府は11月15日付けで答弁書を出した。

答弁書はまず、政府の公式見解として、以下の二つの「立場」を述べて
いる。

①「平和条約(昭和二十七年条約第五号)第二条に従い、台湾に対する
すべての権利、権原及び請求権を放棄しており、台湾の領土的な位置付けに関して独自の認定を行う立場にない」

②「台湾に関する我が国政府の立場は、昭和四十七年の日中共同声明第
三項にあるとおり、『台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である』との中華人民共和国政府の立場を十分理解し尊重するというものである」
 
そしてその上で、文科省は「義務教育諸学校教科用図書検定基準」に照らし、これら社会科地図が「教科用図書として適切であると判断され、合格」させたと説明している。

その「検定基準」には、「外国の国名の表記については外務省編集協力
『世界の国一覧表』によること」との規定があり、その「世界の国一覧
表」では台湾に関し、「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国
の領土の不可分の一部であるとの立場を表明しており、日本国政府は、
その立場を十分理解し尊重することを明らかにしている〈日中共同声
明〉」との記載があるため、文科省は台湾を中華人民共和国の領土と表
記することは適切だと判断したと言うのである。

だが「世界の国一覧表」においてそのような記載はあっても、「台湾」
が中華人民共和国の領土であるなどとは、一切書かれていないのである。それでもなお文科省が、台湾を中華人民共和国の領土とすることを「適切」とするのはなぜなのか。

簡単に言えば、この答弁書にあるとおり、文科省は政府の二つの「台湾
(の領土的位置付け)に関する立場」のうち、②の「中国政府の立場を
理解し尊重する」という「立場」にのみ従って、台湾を中華人民共和国
の領土だと判断したのである。しかしこれは文科省による誤判断であり、政府の「立場(見解)」の歪曲以外の何物でもないのだ。

■問われる独立国家としての検定の在り方

答弁書に示された政府の二つの「台湾の関する立場」――①「台湾の領
土的な位置付けに関して独自の認定を行う立場にない」という立場と、
②「『台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である』との中華人
民共和国政府の立場を十分理解し尊重するという」という立場――は、
いずれも「台湾は中華人民共和国の一部ではない」と表明したものであ
る。

①の立場は、中国から「台湾を中国の一部であると認定せよ」と要求さ
れたところで、我が国はすでにこの島を中国に割譲することもなく、サ
ンフランシスコ平和条約で放棄しており、いまさら「その通りである」
と独断で承認する権限はないと言うものだ。判りやすく言えば、仮に四
国や九州ならまだしも、自国領でない台湾やベトナム、フィリピンその
他を、勝手に「中国のものだ」と極め付けることはできない、と言った
常識表明に過ぎない。

②の立場は厳密に言えば、「台湾の領土的位置付けに関する立場」と
言うよりも、「中国政府の立場に関する立場」である。日中両国が国交
正常化のための共同声明を発するに際し、「中国の一部」であることを
認定せよと要求してきた中国政府に対し、そのような立場・主張だけは
「理解し尊重する」と表明しただけに過ぎない。認定が不可能である
以上、その意味はどう解釈しても、「この際中国の言い分に反対はしな
い。勝手に主張して結構」と言うもの以上ではあり得ない。決して「中
国の一部」を領土的事実として「理解し尊重する」としたわけでもなけ
れば、もちろん「認定」「承認」したわけでもない。

事実、共同声明に署名を行った大平正芳外相自身、その直後の講演で、
「中国側は『不可分の領土』といい、日本はこれを『理解し、尊重す
る』といった。『承認』するとは書いていない」と説明し、その上で
「日本としても棄てたものはだれだれのものとはいえない立場にある」
(昭和47年10月)と言明している。

ところが文科省は検定において、台湾は中華人民共和国の領土であると
事実上「認定」したわけである。これが何を意味するかと言えば、我が
国政府の「立場」ではなく、中国政府の「立場」に従い、その主張どお
りの虚偽の地図を「適切」と判断し、全国の中学生に押し付けてきたと
言うことなのだ。いかに中国に配慮するとは言え、長年にわたり、よく
もそこまで大胆なことを仕出かしてきたものだと思う。

文科大臣は教科用図書検定規則第13条に従い、これらの発行者に対し
て「誤った事実の記載」の訂正申請を直ちに行うべきである。今、文科
省に問われているのは、独立国家としての教科書検定の在り方なのであ
る。

*******************************************************************************************

〔参考〕以下は笠議員の質問と、それに対する政府の答弁である。


【質問】台湾の領土的地位に関する「日本国政府の公式見解」とはいか
なるものなのか。その 根拠についても明らかにして頂きたい。

【答弁】
我が国は、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号)第二条に従い、台湾に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄しており、台湾の領土的な位置付けに関して独自の認定を行う立場にない。台湾に関する我が国政府の立場は、昭和四十七年の日中共同声明第三項にあるとおり、「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」との中華人民共和国政府の立場を十分理解し尊重するというものである。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【質問】
台湾の領土的地位に関して、サンフランシスコ講和条約の当事国であるアメリカやイ ギリスなど連合国の見解を政府として、どう理解しているのか。

【答弁】
米国については、千九百七十八年の米中間の外交関係樹立に関する共同コミュニケ等において「台湾は中国の一部であるとの中国の立場を認識する」との立場が示され、英国については、千九百七十二年の英中間の大使交換に関する共同コミュニケにおいて「台湾は中華人民共和国の一つの省であるという中国政府の立場を認識する」との立場が示されていると承知している。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

③④
【質問】
地図帳発行会社は台湾の取り扱いについて、外務省編集協力の『世界の国一覧表』と日本国政府の見解に基づいて取り扱っているとしているが、そのような指示は文部科学省が検定の際に出していると考えられる。それで相違ないか。文部科学省の検定基準などで定めているとすれば、具体的に提示していただきたい。

【質問】
教科書会社が『世界の国一覧表』の記述をそのように解釈をしているのは、教科書を検定する文部科学省の指示するところなのか。指示しているとすれば、それは資料を含めていかなる根拠によるのか。

【答弁】
教科用図書における外国の国名の表記については、義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成十一年文部省告示第十五号。以下「検定基準」という。)において「原則として外務省編集協力「世界の国一覧表」によること」とされているものである。台湾については、御指摘の「世界の国一覧表」において「その他の主な地域」として記載され、「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であるとの立場を表明しており、日本国政府は、その立場を十分理解し尊重することを明らかにしている〈日中共同声明〉」との解説が付されており、教科用図書の発行者においては、これらの記載を踏まえ、教科用図書を編修しているものと考える。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【質問】
文部科学省の検定において、台湾を中国領と表記する帝国書院発行の『新編 中学校 社会科地図 最新版』と東京書籍発行の『新しい社会科地図』は検定で合格している。合格は資料を含めていかなる根拠によるのか。

【答弁】
株式会社帝国書院発行の「新編 中学校社会科地図 最新版 帝国書院編集部編」及び東京書籍株式会社発行の「新しい社会科地図」については、検定基準に照らし、教科用図書検定調査審議会の専門的な審議により教科用図書として適切であると判断され、合格となったものである。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【質問】
来年度から使用される地図帳でも台湾は中国領と表記されているのか。

【答弁】
お尋ねの「台湾は中国領と表記されている」とはどのような記述を意味するのか必ずしも明らかではないが、平成十八年度から中学校用の教科用図書として使用される地図において、台湾と中華人民共和国との間に国境線を示しているものはない。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【質問】
外務省はホームページにおいて台湾を中国の領土の一部として取り扱っていると解釈できるが、それで相違ないか。

【答弁】
台湾に関する我が国政府の立場は、一についてで述べたとおりである。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【質問】
台湾に関して、中学校の地図帳における資料は『中国地図集 一九九六』や『中華人民共和国行政区画簡冊一九九九年版』など、すべて中国のものを使用しているため、台湾は中国の一部として表記されている。このような資料を使用する中学生は台湾を中国の一部であるとしか認識できないと思われるが、政府の見解はどうか。

【答弁】
教科用図書としての地図において、学習上必要な各種の主題図を取り上げるに当たって、中華人民共和国の資料を含めどのような資料を用いるかは教科用図書の発行者の判断にゆだねられているところであり、御指摘の「中学校の地図帳」は、検定基準に照らし、教科用図書検定調査審議会の専門的な審議により、教科用図書として適切であると判断されたものである。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【質問】
台湾が中国領でないという「誤った事実の記載」が明らかになった場合、地図帳の発行者である教科書会社は「教科用図書検定規則」第十三条第一項に従って「文部科学大臣の承認を受け、必要な訂正を行わなければならない」し、あるいは文部科学大臣が同条第四項に従って「発行者に対し、その訂正の申請を勧告」しなければならないと考える。政府の見解はどうか。

【答弁】 
お尋ねは、仮定の問題であり、答弁を差し控えたい。なお、教科用図書検定規則(平成元年文部省令第二十号)第十三条第一項において「検定を経た図書について、誤記、誤植、脱字若しくは誤った事実の記載又は客観的事情の変更に伴い明白に誤りとなった事実の記載があることを発見したときは、発行者は、文部科学大臣の承認を受け、必要な訂正を行わなければならない」とされ、同条第四項において「文部科学大臣は、検定を経た図書について、第一項及び第二項に規定する記載があると認めるときは、発行者に対し、その訂正の申請を勧告することができる」とされているところである。


*******************************************************************************************

台湾は中国領ではない!
小坂文科大臣に社会科地図の訂正要求を


<小坂憲次・文部科学大臣への要求先>

①東京事務所

 〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1
       衆議院第一議員会館220
 電 話 03―3508-7219
 FAX 03-3502-5120
 意見メール http://www.kenjikosaka.com/home/index.phtml?cont=mail
 メール g01779@shugiin.go.jp

②地元事務所(小坂憲次後援会)

 〒380-0936 長野市岡田町171スズキビル2F
 電 話 026-224-2188
 FAX  026-223-7177

③文部科学省

 〒100-8959 東京都千代田区丸の内2-5-1
 電 話 03-5253-4111(代表)
 メール voice@mext.go.jp

小坂けんじHP
http://www.kenjikosaka.com/index.html


『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.html『台湾の声』バックナンバー http://taj.taiwan.ne.jp/koe/『日本之声』http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe Big5漢文




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