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阿貴(アークエイ)。かくすればかくなることと知りながら、やむにやまれぬ大和魂。

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青森李登輝友の会ブログ

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日本は友邦台湾を見捨てるのか 台湾研究フォーラム代表 柚原 正敬

    <國 論>


     日本は友邦台湾を見捨てるのか


台湾研究フォーラム代表 柚原 正敬



柚原正敬
3月から4月にかけて、日台関係を揺るがしかねない問題が次々と起きて
ゐる。

1.小林よしのり氏の入境禁止問題 

2.日本教文社による蔡焜燦著 『台湾人と日本精神』の販売停止問題 
小林よしのり

3.李登輝氏の訪日ビザ発給問題。


月刊「正論」掲載の西尾幹二氏の論考を巡つて、小林よしのり氏、伊藤潔氏、
林建良氏、西部邁氏らが反論を書かれてゐるが、本稿では触れない。ここでは、
国としての日本と台湾に関わる問題に絞り、小林よしのり氏の入境禁止はすで
に解除されてゐるので、残り二つの問題について取り上げてみたい。

日本教文社から蔡焜燦氏の『台湾人と日本精神』が出版されたのは昨年7月。
これまで3万部を販売したといふ。4年連続の出版不況下、3万部といへば決
して小さな数字ではない。「左前だつた経営を建て直した」(同社社員)といふ
のも嘘ではないだらう。ところが日本教文社は3月14日、これほど貢献した
同書を販売停止にしたといふ社告を日刊紙に掲載したのだつた。

自社単行本の販売停止、つまり絶版処分をわざわざ複数の全国紙に社告を打
つて知らせるといふのも異例だが、それ以上に驚かされたのはその理由である。

「台湾に於ける政治問題を扱っていたため、当社並びに宗教法人『生長の家』
の主張や見解が、本書の主張や見解と同じであるような印象を広く読者に
与えたため」

だといふ。そして社告は

「当社と生長の家はいかなる政治運動を支援するものでもありません」

と結ぶ。

しかし蔡焜燦氏は、李登輝などとともに台湾の日本語世代を代表する人物で
あり、自ら「愛日家」を名乗り、同書執筆の目的はその「あとがき」にも明記
されてゐるやうに政治問題を扱ふことではなく、台湾と日本に関はる近代史の
史実を書き遺すことだつた。

しかし日本教文社は著者である蔡氏の承諾を得ないまま一方的に販売停止を
決め、新聞にまで発表してしまつたのである。同社は本の内容に責任を有する
発行元であるにも拘らず、その責任を一方的に著者に押しつけて処分理由とし
た。これは責任逃れの卑劣なやり口である。同社や「生長の家」に抗議する者
が少なくなかつたのも無理はない。台湾研究フォーラムも、3月28日付で同
社の岸重人代表取締役宛に「抗議声明」を送付した。

この停止処分の最大の問題点は、著者の承諾を得ずに処分を決定したことに
ある。例へ出版契約を結んでゐなくとも、これは明らかに著作権を侵害する不
法行為である。また、法律以前の常識の問題でもある。もし発行者がどのやう
な理由であれ、発行する本を一方的に販売停止にし得るなら、発行も著者の承
諾なしにでき得ることになる。これでは著作権は保護されず、憲法に保障する
言論の自由も踏み躙ることにならう。

日本教文社がこのやうな常識さへ弁へず出版活動してゐる異常性に驚かされ
たが、漏れ聞くところによれば、同社は処分を決定する前に蔡氏に連絡を取つ
たといふ。だが、かういふ重大な問題にも拘らず、台湾に足を運ぶでもなく、
なんと普通郵便で済ませたといふ。速達でもないのだ。さもありなん、だ。

この停止処分は台湾でも大きく報道され、台湾の親日家を失望させ、あるい
は嘲笑を買つた。それ故、さらなる問題は

「いかなる政治運動も支援しない」

と公言したものの、日台の友好を願はない勢力に加担し、一方の政治運動を
支援する結果を招くことになつたのは火を見るより明らかなことだ。これは
三歳の童子にさへ判る簡単な理屈である。どのやうに弁解しようと、同社が
意図的にこの処分を決定したとみられても致し方あるまい。

蔡氏はこのやうな処分に対して内容証明の抗議書簡を送つてゐる。だが、
代理の弁護士の返書には、一方的に社内事情などを列ねるばかりで、不法行為
を詫びる言葉は一字一句もなかつたといふ。蔡氏はこれで裁判も辞せずの覚悟
を固めたといふ。これまで述べたやうに、日本教文社には一分の理もないのだ
から、裁判になつたらまづ勝ち目はない。

谷口雅宣
それにしても、なぜ日本教文社の社告に第三者である生長の家が出てくるのか。
この停止処分の命令は同社の母体である「生長の家」の副総裁である谷口雅宣
氏(写真右)が発したとの噂を裏付けてゐることにもなる。それはともかく、
両者に日台関係の歴史を冷静に理解しようとする意志があり、成熟した日台関係
を求める理性があるのなら、速やかに決定を撤回し、台湾に足を運んで蔡焜燦氏
に深々と頭を下げて非常識かつ不法な行為を謝罪すべきなのである。それが人と
しての道であらう。
李登輝

ところで、現在持ち上がってゐる李登輝氏の訪日問題であるが、この問題の
本質は心臓の治療、即ち人として踏み外してはならない人道的観点と、ビザ発給、
即ち日本の主権行使にある。それ故、すぐれて国内問題であり、タイミングの
善し悪しの問題ではもちろんない。従つて、ビザを発給しない正当な理由はどこ
にも見当たらない。

もしビサを発給しなかつたら、日本はまたもや中国の内政干渉に屈した「臆病
な国」と世界の嘲笑を買ひ、非人道国家の謗りを受けることは必定だ。また、
台湾との関係は最悪の場面を迎へることにならう。親日国家と云はれる台湾の
反日色は濃くなり、良好に進んできた民間交流に支障が出てくることも視野に
入れざる得まい。

4月6日付の産経新聞で、李登輝氏がビザ発給を非公式に打診してきてゐる
福田康夫
ことを報じて以来、驚いたことに「親中派」の朝日新聞でさへ訪日賛成の社説
を掲げるなど、マスコミのほとんどが訪日賛成派に回つてゐる。政権末期にある
森首相も、ビザ発給を外務省に検討するやう指示し、衛藤征士郎外務副大臣も
積極的にビザ発給に向けて動いてゐる。

河野洋平
しかし、報道されてゐるやうに、福田康夫官房長官や河野洋平外相、あるい
はチャイナスクール最後の生き残りといはれる外務省の槇田邦彦アジア大洋州
局長などが中国の顔色を窺ひながら、強行に反対してゐる。彼らには字義通り
「国賊」といふ言葉が相応しい。

日台交流を憂ふる人々が政府等へ抗議文を送つてゐる。台湾研究フォーラム
槇田邦彦
も4月12日付で政府要路へ「抗議声明」を送つた。本件は、道義国家日本の
威信及び日本人の名誉に関わる問題だ。ぜひ李登輝氏の訪日を実現させて杞憂
に畢らせたい。否、必ず畢らせることで、日本と中国の新たな突破口とすべき
だし、台湾と中国の関係の明確性も出てくるかもしれないのである。
(4月15日記)
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